田邊工務店の日々

東近江市大規模改修、爽やかな秋風のもと
解体工事からスタートしました。

季節は進み、冬を越え春を向かえました。
大工工事も終盤です。

完成後のかたちが確かなものになってきました。

九十代のお施主様のお父様は
ずっと工事の進み具合を見守ってくださいました。

現場に行く度におじいさんの笑顔に癒されてきました。



おじいさん。完成までもう少しですね。

玄関の上がり框で履物をぬぎながら
縁側の陽だまりに腰をおろして
大黒柱の傷を手で撫でながら
二階の梁や地棟を見上げて

若かりし頃の出来事を振り返ってくださいますか。
奥様の笑顔を懐かしんでくださいますか。

この家で暮らした長い年月のなかで味わった
たくさんの喜びや悲しみ、そして出会いや別れに
思いを廻らせてくださいますか。

10月の半ば、ちょうど解体が終り躯体のみになったころ
大きな台風が二度もやってきました。

家が倒れないかとさぞかしご心配をおかけしたことでしょうね。

去年の末、吹雪の中での屋根工事

おじいさんも雪の中で
屋根の上で作業をする大工さんを
見上げてくださっていましたね。

おじいさんが生まれ育った大切な家が
次の世代へと住み継がれることを
とてもうれしく感じます。

ご家族で楽しく賑やかに日々が繋がって行きますように。



桃の節句、事務所に生けた桃のつぼみが優しくほころびました。

田邊工務店　田邊